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狂言を楽しむ。 [たまごのおでかけ]

今日は県民文化会館で狂言を観てきました。
毎年恒例の京都の茂山一門。今年で10回目になるそうです。
タマゴとウズラにとっても、いつしか毎年恒例の観劇となっとります。

ずいぶん前に「すなわち茂山千五郎」と題して、
終演後に近くのコンビニに立ち寄り、レジで支払いをしていたら、
すぐ後ろに、ついさっきまで舞台の上で♪でーんでんむしむし♪
と熱演してらした茂山家当主・千五郎氏がオニギリを持って並んでらした、
という話を書いたことがあります。
すぐには気づかず、
「えらいブルブル汗を掻いとんさるな、この人は」
と思ったら、よくよく見れば千五郎氏だった、というお話でしたが、
こういう普通っぽさが茂山一門の魅力です。

今日も開演前に書籍・DVD・カレンダー・かるたなどの販売コーナーに立ち寄り、
「どれどれ、今年はどんなのが出とるかいな?
 刊行されたばかりの千三郎氏の新書本はあるかいな?」
と眺めとったのですが、いや、さすがに10年目、鳥取には熱心な狂言ファン、茂山贔屓が多い。
黒山の人だかりですわ。
最初、女の人がひとりで販売にあたっておられたのですが、
「う~ン、これではなかなか客を捌ききれんだらぁ」と他人事ながら心配していたら、
「はいはいはいはい」とスルスル~とセーター姿の男性がタマゴの正面に現れた。
「ほほぉ、早速、助っ人の係員さんが来んさったわい」と思う間もなく、
販売担当の女性、
「ただいま七五三(しめ)が参りました。サインご希望の方はお気軽にどうぞ」
などと言っているではないか!?
え?と目の前のセーター姿の男性をよくよく見れば、
人間国宝・茂山千作の次男で当主・千五郎氏の弟、
すなわち茂山七五三氏ではないか!
うう~ン、実に普通っぽい。そのへんのオッサンと変わらん。
こういうとこがええですなぁ。たまらんぞ、茂山家。

今日の演目は三曲でしたが、初っ端は、
作家・京極夏彦氏が書き下ろしたという新作狂言『豆腐小僧』という妖怪のお話でした。
狂言にはこれまで幽霊は出ても、妖怪が出てきたことはないそうです。
なぜにこれを鳥取で上演するかについては、
開演前の戦後労使、でない千五郎氏嫡男・茂山正邦氏のレクチャーで説明がありました。
鳥取出身の水木しげる氏へのリスペクトだそうです。

そういえば、京極夏彦氏は熱烈な水木ファンで、
数年前に荒俣宏氏と共同で『水木しげる展』を県立博物館でやっとんさった。
うーん、あのときはついつい見物の機会を逸してしまったものですが、思えば惜しいことをした。

ちなみにレクチャーで正邦氏は水木氏の出身地・境港市を失念して、
「ええと・・・清水港市・・・でしたっけ?」とのたまって、場内を沸かせてらっしゃいました。
「3分前に聞いてたんですけどねぇ・・・」と正邦氏。
いいですねぇ。茫洋たる茂山家の血は連綿と受け継がれている。

今年もなかなか盛況でした。
場内、老若男女の人、人、人。着物姿の女性の姿もちらほら。
ま、もっとも若い女性は多くても、若い男性の姿はあまり見かけませんでしたね。
タマゴあたりが実年齢では最も若い男性だったかもしらんです。
見かけは、狂言鑑賞歴100年みたいに見えますが。

それにしても、狂言というのは、なかなか示唆に富んでおりますな。
正邦氏のレクチャーにもありましたが、まず、「見立て」ということ。
舞台の上で上演されることを具体的な場面に可視化するのは観客の想像力ですからねぇ。
なにしろ舞台上には、能舞台があって役者がいるだけ。小道具も扇などごく最小限。
現実そのものの要素が極めて少ない。つまり仮想現実の度合いが強い。
その点、本来の意味での「シュール」と言ってもいいかもしれませぬ。
    なんでも、「超現実主義」(シュルレアリスム)の「超」は、
    「現実離れした」という意味ではなく、現実の「強度をより高めた」と意味なのだそうです。
舞台上の仮想を想像力によって具体的にイメージするには、
手がかりとして与えられた「見立て」を脳内で強度化する必要があります。
最小限の現実的要素(たとえば扇)を別の何か(徳利や盃)に「見立て」て、
現実以上に鮮明なイメージを得る(超現実に至る)には、
役者の技量ばかりでなく、観客の想像力が求められます。
これは、伝統芸能一般に言えることかもしれません。
が、いずれにしてもタマゴの与太です。
実際のタマゴは、能動的に想像力を働かせることもなく、時にぐぅぐぅ居眠りしとりました。
それほどまでに茂山狂言は心地よく、
タマゴのように怠惰かつ受動的な態度をも許容する包容力がある、ということです。
天晴れ!茂山一門!!

それにしても、茂山千作氏の存在感は相変わらず圧倒的でしたなぁ。
舞台に登場するだけで、すでに面白いがな。笑える。ほんに国の宝ですわ、あの人は。
そして、最後の千五郎氏の謡もお見事でした。さすが当代。
(今日、気づきましたが、千五郎氏、岸部一徳氏に似てますよねぇ。道理で気に入るはずだ)

ちょっと気になったのは、ウズラお気に入りの逸平くんがいなかったこと。
パンフレットの一門紹介にも出てなかったし。
どうしたんでしょうねぇ。ご存知の方、教えたってくだされ。(またか!自分で調べー!)
タマゴの勝手な想像では、狂言活動で忙しく、通学もままならなかった大学を
いよいよ卒業しようと決意し、とりあえずそれに専念しとる、のではないか、と。
(いらんとこで「想像力」を使うモンだなー。どうせなら上演中に使え。居眠りしとらずに!)

今日は終演後、販売コーナーで千三郎氏の新刊を購い、ご本人のサインを頂戴しました。
なかなか楽しそうな本です。

世にもおもしろい狂言

世にもおもしろい狂言

  • 作者: 茂山 千三郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 新書


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okko

鳥取っちゅうところは、妖怪にしろ、お能にしろ、ブログダラズにしろ、文化の匂いがプンプンしていますなぁ。
バアは、大学生の時、薪能を一度見たきりで、想像力働かぬままに、歌舞伎に逃げ込みました。 天井桟敷で「成田や~~~ッ」と叫んでおりました。調べていたことを思い出しんさったですか??
年賀状も書かんで・・・・どうしよう!
by okko (2006-12-24 14:50) 

温泉たまご

そうだった!思い出した!成田屋だ!
しかし、成田屋のなにを調べるつもりだったか、それがわからんですなー。
うーん。かなり脳が弱っている。
年賀状・・・・そうだった、ウズラに急かされていたのだった。ブログ書いといる場合ではなかったのだった・・・・。しかし・・・。
by 温泉たまご (2006-12-24 23:12) 

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